正しさと不寛容

先日、正しさと楽しさについて書いた。

 

どちらかに偏っても間違いではないが、

要は、バランスなのだと思う。

 

自然療法界に身を置く者なら、たぶん、誰でも知っている大御所の先生がいる。

 

文字どおり、「自然療法」という本を出版されており、

おもに食養生について、ものすごく詳しく書かれている先生だ。

 

わたしもこの本は何度も読み、何度も試し、何度も助けられたことがある。

今でも、時々読む。

すごい先生だと思う。

 

ただ、かなり厳しいことでも有名だった。

 

「手抜きは心抜き」というスローガンで、

外食や冷食や手抜き料理に走る世の母親たち、女性たちを、

ばっさばっさと切り捨てていく、

なかなかの激しさを持ち合わせられた先生だった。

 

わたしなど、いかに手抜きするかばかりを考えているような母親なので、

もしお会いしたら、300回くらい、ぶった斬られていると思うが、

その機会もなく、先生は去年亡くなられた。

 

その先生が昔、なにかに書かれたエピソードがある。

 

当時、中学生だった息子がインスタントラーメンを食べたい、と言ったので、

段ボールいっぱいのインスタントラーメンを買って、

「好きなだけ食べなさい。でも、これ以外食べたらだめよ」

と申し渡した、という内容だった。

 

息子は1食食べただけで辟易し、

もう二度と食べません、、と言ったとか、言わないとか、、

 

なるほど、先生流の子育てなのだなあ、と思う。

 

でも同時に、それって嫌がらせじゃね?とも思う。

 

しつけとも言うのでしょうが、

だいたい体罰する親って、しつけって言うのよね。

 

正しさを前面に出すと、とっても不寛容になる。

平気で人に嫌がらせをできるようになる。

 

あのダライ・ラマが、夜に物を食べるのは禁止されているのに、

夜中についビスケットを食べてしまう、仏さまごめんなさい、、と言っていた。

 

ダライ・ラマでさえそうなのだから、

思春期の男の子が、インスタントラーメン食べたいと言ったことくらい許してやれよ、だ。

 

そんなことを考えていたら、インスタントラーメンが食べたくなってきたので

ついつい、うまかっちゃんを買ってしまった。

 

年に3回くらい無性に食べたくなるのだ。

 

 

 

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